松本城伝説

松本城ぬけ穴伝説

松本城天守一階には、周囲が約2m四方、深さ約1m、スッポリと口を開けたくぼみがあります。この四角い穴は、天守の内と外を結ぶぬけ穴の入口ではないかといわれてきました。文化14(一八一七)年に許されて天守に登った武士は、この一階のくぼみは「」であると、記しています。

昭和の大修理の時に、実際にぬけ穴があるのかどうかを調査しました。その結果、ぬけ穴は見つかりませんでした。天守台の中の支持柱が腐ってあとが穴になっていたのです。ぬけ穴伝説は、そこから生まれたのではないかと思われます。

本丸から内堀・外堀・総掘の下を通って、城の外までぬけ穴をほることは、湧水地帯にある松本城では不可能なことと考えられます。